新潟第一ホテルでは、屋上菜園を行っているとお聞きしましたが、なぜ始めたのですか？

会社の取り組みの一環で、他のホテルではできないことをやろう！と考え、調理部では自分たちが使う野菜は自分たちで作ってみようと始めました。新鮮な採れたて野菜を調理し、お客様に提供できるようになり、今ではトマトやキュウリ、レタスや水菜等の葉物野菜を中心に、多くの種類を育てています。

他に行なっている取り組みはありますか？

新潟駅から徒歩１分の立地の当ホテルに「大浴場」を設置し、家族や学生の合宿などで使用できる「和室の大部屋」をご用意しました。
また、新潟は冬になると雪が降りますので、ご宿泊のお客様が、足元の悪い中を外に出なくても良いようにコンビニを経営しています。
さらにお客様がリラックスできるようにと、15000冊の本を設置し、マッサージチェアのある「コミックルーム」もあります。（詳しくはこちら）

やはり、新鮮な採れたて野菜は違いますよね。お客様からの反応もありますか？

夏には「こどもピーマン」を育ています。「こどもピーマン」は、名前の通りに子どもでも食べられる、苦くないピーマンですが、お召し上がりいただいたお客様から、「ししとうにしては大きいし、辛みも苦みもなく、おいしい。これは何ですか？」というご質問を頂戴しました。
こどもピーマンに関しては、義母が畑で作っている野菜なのですが、その苗をもらって当ホテルの屋上で育てています。やはり新鮮な野菜をお客様に届けられることは非常に良いことですし、お客様からもお褒めのお言葉をいただけるので、さらにおいしい野菜や、珍しい野菜づくりにも挑戦してみたいですね。

羽龍さんのお父様が育てた「かぐら南蛮」を調理した、新潟第一ホテルでの好評メニュー「かぐら南蛮味噌」についてお聞かせください。

父はサラリーマンでしたが、会社の定年を機に以前からやりたかった「野菜作り」を始めました。実はかぐら南蛮も、義母が苗を作り、父が自分の畑に苗を植えて育てて、息子の私が調理しているのです。お客様からは「ご飯が何杯でも食べられる(笑)」と言われるほどご好評をいただいております。

面白い経緯ですね。そしてお父様もきっと嬉しいですね。

ちょっとした野菜などは業者から仕入れているのではなく、タネを父に渡して栽培してもらってます。この場合だと新鮮なうちに仕入れることでき、美味しくお客様に料理を提供することができます。

お父様は定年後に野菜作りを始めたと聞きましてが、どうして野菜作りを始めたのですか？

やはり「家族が安心して食べられる野菜を作りたい、家族の健康を守りたい」という意志があるようです。

とても素敵なお話ですね。

父は食品会社に勤めていたことがあるのですが、どのような添加物や農薬が使われたかが、商品表示をみるとすぐにわかります。ですから、それらを使わずに野菜を育ててみたいと考えたのがスタートだったのでしょう。私も育てていますからわかりますが、きゅうりは農薬を使うと苦くなることがありますが、屋上菜園では無農薬で作っていますので、とっても甘くてみずみずしいきゅうりが収穫できます。
余談ですけど、きゅうりを星の形をした筒に入れて育てると、見た目もかわいくできて、お子様にも喜ばれると思いますよ。

星の形のきゅうりは家庭菜園などでも作れますね。

型は色々なところで売られているので、簡単に楽しくできますよ。

野菜作りを始めて、お父様に何か良いことはありましたか？

野菜作りを始める前は、家の中で過ごすことも多く、時間をムダにつかっていた感じがありましたけど、今では朝早く起きて畑に出掛けます。以前は少し太り気味でしたけど、規則正しい生活を送ることで若いころの体型に近づいていき、体も強くなってきていると思います。

なるほど。健康的で楽しく野菜作りをされているのですね。

先日、ある方から実年齢よりも若く見られたと喜んでいました(笑)。なにより生き生きと元気に暮らしている姿を見られるのが、息子としては嬉しいです。

野菜を調理する際に、「５０度洗い」をされているそうですが、詳しく教えてください。

「５０度洗い」というと、５０度の水温を測って使用するなんて一般的には難しいです。
ですが、ご家庭の蛇口から出るお湯で野菜を１０分ひたすと、だんだん野菜が元気を取り戻してきますが、ポイントはその後すぐに冷水で洗うことです。そうすると葉物野菜なんかはシャキシャキになります。
サニーレタスなんかはすぐにシナシナになってしまいますが、余った野菜は新聞紙等でくるんで冷蔵庫で保管し、食べるときに５０度洗いをやってみてください。これ、葉物野菜だけでなくきゅうりにも使える方法なのですよ。当ホテルでも野菜の下準備の時には実践しています！

その他に野菜に関する裏技みたいのものや、知っておいた方がよいことはありますか？

キュウィとリンゴを袋に入れておくとキュウィが柔らかく甘くなるのは有名ですよね。では、じゃがいもとにんじんは一緒に保存しないというのは知っていますか？ これをするとニンジンが苦くなってしまうのです。スーパーでもにんじんとじゃがいもは近くに置いてありませんよ。ぜひ、見てみてください。

最後に、ベジ畑農園で自分で野菜を作っている人たちにメッセージをください。

２年ほど、うちの父と一緒に保育園で「野菜作りの先生」として、園児たちと一緒に野菜を作っていたのですが、種や苗を植えるときに土をいじって、水やりなどの世話をして、そして収穫する時の子どもたちの顔、最高ですよね。
私もしいたけが苦手だったのですが、仲間が作ったしいたけを食べたらおいしかったのです。野菜が苦手なお子様には、自分で野菜を育てて、採れたて野菜をその場で食べさせてみてください。おいしくて食べられるようになりますから。

それは最高の食育ですね！

またうちの父のように、定年された方にも野菜作りをおススメします。健康と生きがいが生まれます。外に出て頑張って野菜作りをやってみてください。イイことだらけですよ。

今度、ベジ畑で、「自分で作った採れたて野菜を、その場で、一流のシェフに調理してもらう」イベントを開催しようと考えています。ぜひ、お願いします。　(^_^)/

面白そうですね！　やりましょう！！

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